衝撃の ルームシェア騒動(前ページ参照)から、一週間―。
私は完全にボ~ッとした日々を送っていました。
何をしてても手につかず、ふと気づけばアホづらして思うは彼のこと…☆(バカ)
私は完全にボ~ッとした日々を送っていました。
何をしてても手につかず、ふと気づけばアホづらして思うは彼のこと…☆(バカ)
「…ナミちゃん、これ、 ただの水なんだけど。」
「へっ!?」
その日も私はお客の声ではっと夢から覚めました。
見ると氷の入ったただの水のグラスを持って、お客が泣きそうな顔をしています(笑)
見ると氷の入ったただの水のグラスを持って、お客が泣きそうな顔をしています(笑)
「あーーっほんとだ!! すいませんね~どうも。」
あわててウィスキーをどばっと。 濃すぎだよそれじゃ(笑)
「最近どしたん?なんやいつもボーッとしてるやん。悩みでもあるん?」
お客が帰ったあと、そう声をかけてきてくれたのは メグミちゃん。
うちのお店の ナンバー2です(笑)
うちのお店の ナンバー2です(笑)
私から見れば雲の上のような存在(キャバクラにもカースト制があるのでw)
であるメグミちゃんと仲良くなったのは、ある出来事がきっかけでした…。
であるメグミちゃんと仲良くなったのは、ある出来事がきっかけでした…。
…キャバクラ勤務もまだ2回目だった、その日。
メグミちゃんは、あるお客と同伴出勤してきました。
メグミちゃんは、あるお客と同伴出勤してきました。
女の子がひとりヘルプで一緒のテーブルにつくのですが、あいにくの人手不足(><)
役不足ながら、新顔のわたくしが末席を汚すことになったわけです(笑)
役不足ながら、新顔のわたくしが末席を汚すことになったわけです(笑)
ヘルプって何のインセンティブもないけれど、適当にお酒作ってりゃいいし、
自分指名の客の時と違って気が楽なので、私は好きなんです☆
自分指名の客の時と違って気が楽なので、私は好きなんです☆
その時も塚本くんのことを考えながら(笑)、がちゃがちゃ水割りを作っていました。
しかし…。 どうも様子が変です。
「ひざに手置く程度の おさわりもダメなのー?!そんな気取った店じゃないでしょ~
ここ。高級クラブじゃあるまいし。 所詮キャバクラだろ?キャバクラ!!」
ここ。高級クラブじゃあるまいし。 所詮キャバクラだろ?キャバクラ!!」
そう言いながら男の手は、しっかりとメグミちゃんの太ももを撫でさすっています。
「…」
関西出身の勝ち気な彼女は、黙って怒りをこらえているようです。
(…うざったいなーこういう奴…他で威張れないもんだからこういう所でえらそうにしやがって)
私もムカついてその男をにらみつけました。
…ん? 何かこの顔どこかで見たような…。
「あーーっ!新井さん(仮名)じゃないですかぁ!!」
私は思わず大声を上げました。 知っている顔だったのです。
「き、君は、もしかして…!?」
最初は不審げだった男の顔が、みるみる驚きと恐怖の表情に変わっていきました(@@)!
それもそのはず、この男は、かつて私が学生時代にいた 赤坂のクラブの客だったからです。
それもそのはず、この男は、かつて私が学生時代にいた 赤坂のクラブの客だったからです。
「やだぁ~こんなところで出会うなんて奇遇ですね~!!お変わりありません?新井さん、
あれ以降パッタリいらっしゃらなくなったから…。色々と、大変でしたもんね~♪」
あれ以降パッタリいらっしゃらなくなったから…。色々と、大変でしたもんね~♪」
男はその当時、まあわりと名の知れた某企業にいましたが、折からの不況でその企業が行った
大規模な リストラ(ニュースにもなりました)で、バッサリと切られたという噂でした。
大規模な リストラ(ニュースにもなりました)で、バッサリと切られたという噂でした。
超・高級クラブだったうちの店では、 おさわりなどもってのほか。
にも関わらず、隙を伺っては女の子に触るので、みんなにもすごく嫌われていました(><)
にも関わらず、隙を伺っては女の子に触るので、みんなにもすごく嫌われていました(><)
リストラされて落ちぶれたせいなのか、女の子たちに総スカンを食ったせいなのか、
その男はある日さっぱり赤坂に来なくなりました…。
エロオヤジの、哀れな末路です(笑)
その男はある日さっぱり赤坂に来なくなりました…。
エロオヤジの、哀れな末路です(笑)
それがまさか、こんなところで再会しようとは(笑)!!!!
「相変わらずですね~その 悪いクセ。」
そう言って私がにらむと、エロオヤジはあわててメグミちゃんの太ももから手を離しました。
「な、なおちゃんこそ、こんな所で何をしてるんだい? 赤坂にいたんじゃ…」
「他所さまの水を味見するのもいいかしらと思いまして。」
つんとすまして答える私。
「あっあぁ、そう…そうだよね。いや、なおさんに会えて光栄でしたよ、うん。
赤坂にもまた是非その内…。」
赤坂にもまた是非その内…。」
よほど動揺したのでしょう、エロオヤジは上着も忘れてあたふたと帰っていきました。
「―何なん!? あんた一体誰なん?あいつのこと知ってるの!?」
興奮してメグミちゃんが私に詰め寄ります。
そこで、学生時代の3年間、赤坂の○○にいたことを告げると―…。
そこで、学生時代の3年間、赤坂の○○にいたことを告げると―…。
「うそやーん!! あんた○○におった人なん!?信じられへんめっちゃすごいやん!!
何でそんなすごい人が、うちみたいな店におるん!?」
何でそんなすごい人が、うちみたいな店におるん!?」
メグミちゃんの目が、憧れと尊敬のまなざしでキラキラと輝いています(笑)
そうなんです。
実は、私がいた赤坂の○○というお店は、知る人ぞ知る お嬢様系クラブの最高峰!!!
そうそうたる著名人が顧客に名を連ね、肩書きや年収で厳選された完全会員制。
実は、私がいた赤坂の○○というお店は、知る人ぞ知る お嬢様系クラブの最高峰!!!
そうそうたる著名人が顧客に名を連ね、肩書きや年収で厳選された完全会員制。
女の子は全員、六大学以上の容姿端麗・頭脳明晰な(身長も160センチ以上なくてはならない)
現役女子大生でなければならず、さらにママの厳しい面接をパスしなければなりません。
現役女子大生でなければならず、さらにママの厳しい面接をパスしなければなりません。
女の子はお店の中で全員 本名を名乗り、大学名も、隠さず明かします。
もちろん同伴やアフター、指名や名刺といった営業活動は 一切なく、完全なる女の子
の自由意思のもとに接客するという、アンビリーバボーなお店なのです(笑)
もちろん同伴やアフター、指名や名刺といった営業活動は 一切なく、完全なる女の子
の自由意思のもとに接客するという、アンビリーバボーなお店なのです(笑)
「アイツ、セコい上にいやらしくて、ホンマいややってん。スッキリしたわ。
だけどあんた、相当えらかったんやろな。だってアイツ、めっちゃビビってたやん!」
だけどあんた、相当えらかったんやろな。だってアイツ、めっちゃビビってたやん!」
愉快そうにメグミちゃんが笑います。
―そう。 何を隠そう私は、何とその赤坂のお店で ナンバー1だったのでした☆
しかも、大学を卒業と同時にお店からも卒業しなければならないという決まりのお店にあって
私は 『栄光のOG』として、好きな時に店に遊びに行ってもよいという特権を許された少数の内
のひとりなんです。 まさに、 殿堂入り!?(笑)
私は 『栄光のOG』として、好きな時に店に遊びに行ってもよいという特権を許された少数の内
のひとりなんです。 まさに、 殿堂入り!?(笑)
…すみません、ちょっと自慢入っちゃいました(笑)
そんなわけで、それからというものメグミちゃんは私を何かと気にかけてくれるのです。
今のお店では私、問答無用の 下っ端なので☆
そんなわけで、それからというものメグミちゃんは私を何かと気にかけてくれるのです。
今のお店では私、問答無用の 下っ端なので☆
―なれそめの紹介がずいぶん長くなっちゃいました。
塚本くんとのルームシェアのことで、すっかり心ここにあらず状態の私にメグミちゃんが
声をかけてきてくれたんでしたっけね(笑)
塚本くんとのルームシェアのことで、すっかり心ここにあらず状態の私にメグミちゃんが
声をかけてきてくれたんでしたっけね(笑)
「いや~実はね、部屋を借りてくれる人が見つかりそうなのよぉ☆
でも、その人っていうのが…」
でも、その人っていうのが…」
でへでへしながら、最近ボーっとしているわけを話そうとした、 その時!!
急に、店内がざわめき始めました。
急に、店内がざわめき始めました。
「山○さん(仮名)が来るって…!!」
「うそーっ!でも今日 サエコさんお休みじゃん!? 誰がテーブルにつくの…!?」
なんじゃいなんじゃい?!
私もリエちゃんも色めきたちました。
私もリエちゃんも色めきたちました。
ちなみに、サエコさんというのは、お店の ナンバー1の人です!!
彼女をご指名というのなら、よほどの上客か常連なのでしょう。
彼女をご指名というのなら、よほどの上客か常連なのでしょう。
店長じきじきのお出迎えを受け、戸口に姿を現したのは―…。
な、なんとっ、うちの大家(笑)もといヤ○ザの息子の、あの 晴彦ではありませんかぁーっ(@o@)!
絶体絶命、大ピンチ!!! 品行方正なはずの店子のスキャンダル(笑)!!!
私はこの危機をどう切り抜けるのでしょうか!? 次に乞うご期待!!
私はこの危機をどう切り抜けるのでしょうか!? 次に乞うご期待!!
つづく